• 導入事例

非情報系研究者が生成AI×専門書で挑む。巴川コーポレーションのデジタル技術開発を支える「生成AIxTechLib」によるパーソナルトレーナー

特殊紙や機能性シート、電子材料などの開発・製造で高い技術力を誇る株式会社巴川コーポレーション。同社の技術研究所では、材料開発の現場におけるシミュレーションやAI(人工知能)、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の導入が進められています。非情報系出身の研究者でありながら、自らプログラミングやAIを駆使して実務ツールを開発する阿部さんと小原さんに、「TechLib」の導入経緯や独自の活用法、そして現場に起きた変化について詳しくお話をうかがいました。

お話をうかがった人

阿部 一智さん(右)
株式会社巴川コーポレーション 開発本部 技術研究所長

小原ウィリアム純さん(左)
株式会社巴川コーポレーション 開発本部 技術研究所 研究員

企業概要

  • 会社名:株式会社巴川コーポレーション
  • 所在地:静岡県静岡市駿河区(用宗工場)
  • 従業員数:連結1,346名
  • 事業内容:特殊紙・機能性シート・電子材料等の開発・製造・販売

非情報系研究者に迫る「デジタル技術・AI活用」の波と、専門書確保のハードル

阿部さん:私たちが所属する技術研究所は、主に基礎的な技術検討や将来的な技術種子の探索、そして社内の「あったら便利だけれど、誰も手がつけられていない課題」を解決する部署です。近年、ものづくりの現場でもシミュレーションやAI、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)といったデジタル技術の活用が急務となってきました。

しかし、私(阿部)は大学で化学、小原は生物学を専攻しており、二人とも元々は情報系の人間ではありません。業務の中で急遽Pythonによるプログラミングや機械学習を扱う必要が出てきたのですが、ゼロから調べるのは非常に大変でした。ネット検索だけだと出処や精度が確かではない情報も多いため、やはり専門家が執筆した「書籍」で体系的に学ぶことが不可欠だと感じていたんです。

ただ、高度な専門書になると1冊で10万円近くするものもザラにあり、個人の自腹はもちろん、研究費で購入するにしても冊数には限界があります。そんなとき、年間の利用料が「半日のセミナー1回分程度(約3.6万円)」で多数の専門書が読み放題になる「TechLib」を知りました。ちょうど年度末で消耗品予算に少し余裕があったタイミングでもあり、「これならすぐに試せる」と速やかに契約を決めました。

▲阿部 一智さん

専門出版社の横断ラインナップと、開発業務を支える「目次機能・チェック機能」

阿部さん:単一の出版社だけではなく、インプレスをはじめとする主要な技術専門出版社が多数参加している点ですね。気になるキーワードで調べた際に、複数の専門書を比較・参照できるのは大きな魅力でした。また、新刊や改訂版が続々と追加されるため、常に最新の技術動向を追える安心感もありました。

小原さん:実際の現場の作業で特に重宝しているのが、「目次ナビゲーション」と「ハイライト・メモ機能」です。画面左側に目次が一覧表示され、クリックするだけで知りたい章へ一瞬でジャンプできるので、紙の本をペラペラ繰るよりも目的のページに素早く到達できます。

また、気になった箇所にハイライトをつけておき、後から読み返せる機能も便利ですね。あとでじっくり読み直したいページを見失わずに済むので重宝しています。

阿部さん:実は今回の取材の中で、多くの書籍で最大見開きでの「印刷(プリントアウト)」ができることを初めて知りました(笑)。画面をずっと見続けていると目が疲れてしまうこともあるので、「一部を印刷してじっくり紙で読む」という使い方もぜひ試してみたいですね。画面での検索性と紙での読みやすさを状況に応じて使い分けられるのは、さらに魅力的だと感じました。

▲気になる箇所にはハイライトをつけてメモとして残しておくことができる

生成AI×TechLibの「パーソナルトレーナー」で、4日で社内解析ツールを独自開発!

小原さん:私の場合、最近は生成AI(Claudeなど)にプログラミングのひな型を作らせつつ、AIが提示したコードや回答が正しいかどうかを「TechLib」の書籍で検索・確認して修正していくという学習スタイルをとっています。

生成AIは答えをすぐ出してくれますが、それが本当に正しいかは人間が検証しなければなりません。その際、信頼できる技術書が「TechLib」にあるおかげで、まるで優秀な「パーソナルトレーナー」に確認をとるような感覚でデジタルツール開発を進めることができています。

実はこの方法を駆使して、社内のデータ解析・整理用ツールを4日ほどで開発することができました。もし「TechLib」や生成AIがなかったら、外注する費用も出せず、着手すらできていなかったと思います。自分たちで作成したこのツールは、現在では製品開発の現場で実際に導入・運用されており、社内でも高い評価をもらっています。

阿部さん:以前、社内でPythonの勉強会を開いたこともあったのですが、プログラミングは人によって向き不向きがあり、全員を脱落させずに育てるのは難しさもありました。しかし小原のように「困っている人の課題を解決したい」という気持ちを持つ若い世代が、AIと「TechLib」という武器を手にしたことで、自走して圧倒的な成果を出してくれたのは大きな収穫でしたね。

また、私自身も定期的に届くメールマガジンを重宝しています。自分が普段検索しないようなジャンル(AWSやセキュリティ、Power Automateの解説書など)の新刊情報が届くので、常に新しい技術への視野が広がっています。

▲小原ウィリアム純さん

「好き」を原動力にしたスキルアップと、TechLibへのリクエスト

小原さん:AIエージェントやフィジカルAI、あるいはクラウド連携など、最先端のAI・開発技術に関する実践書がさらに増えてくれると嬉しいですね。気になる技術があればすぐに「TechLib」で調べる癖がついているので、ラインナップの充実に期待しています。

阿部さん:私たちの領域でいうと、ソフトウェア系だけでなく、理工学や基礎理論に強い出版社の書籍がさらに拡充されると、製造業の研究者にとってはまさに「手放せないサービス」になると確信しています。また、新刊の発売に合わせて著者の方が登壇するオンラインセミナーなどがサービス内で開催されたりしたら、もっと学習のモチベーションが上がりますね。

「努力は好きに勝てない」と言いますが、興味を持って楽しく学ぶことが一番の成長につながります。これからも信頼できる「TechLib」を相棒に、研究開発の現場から新たな価値を生み出していきたいと思います。

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